【柔術みちしるべ 〜三段錬士会〜】

【柔術みちしるべ 〜三段錬士会〜】

8月11・12日は大宮の八光流柔術総本部にて、宗家直傳セミナーの三段技錬士会に参加してきました。

八光流の三段技の特徴と言えば持廻と雅勲だとされる通り、ほとんどの時間が持廻と雅勲に割かれ集中的に稽古されました。
型の各箇条内容の細部を詰めて学ぶのではなく、とにかく持廻と雅勲が正しくできるようになるための要点を知って錬れるようになるための講習だったと感じました。

実際に宗家から「皆でこの訓練をやりなさい」と具体的に示されたものもあります。

この訓練ということに関して実は個人的な反省点がありました。

先月の二段技錬士会の最終盤で示された内容について「この要点はきっと三段の持廻や雅勲にも必要不可欠な筈だ!」と感じて、その要点の訓練法を自分なりに考えてこのひと月の間密かに特訓してきたのですが、今回三段錬士会に臨んだ結果、持廻の方では以前よりかなりスムーズにできるようになった効果はあったものの、雅勲の方では力の伝え所が手の内で分散してしまい、場合によっては完全に止まってしまうケースも発生した悪癖になりかけていました。

錬士会から帰郷後、連日この訓練法の手直しを試みていてようやく少し改善の方向性が見えてきた感じのところです。
結構労力を向けたことがコケたので少し凹みもしましたが、むしろ錬士会という厳しい環境でこれでは通用しないという現実に当たることで、ひと月という期間だけで修正に向けることができて幸運だと思うことにしました。

また昨年の四段技直傳講習会から今年の初段〜三段錬士会と通して受講してみて、八光流柔術における基本型の位置付けやその価値について色々と考えや感想が変わりました。

そもそも、どのような武道武術でも基本技や型は技術や思考の情報の伝達媒体にすぎず、型を学びつつ形に見えないものは各々で自得感得するものだと思います。
八光流の型も教本にかなり重要なことが記載されていますが、書かれた当時の常識をふまえた知識を用いつつ、その行間や全体の構成に通徹する内容を察しながら教本の内容を反復しつつ自得感得しなければならないものも沢山あると感じます。

この自得感得した解釈の結果の違いが、師範各々の技の趣きの違いとなるのだと思います。

そのなかでも宗家直傳講習での内容には教本には書いてないことや形が少し異なることもあるのですが、初段から四段まで確実に積み上がって通徹し奥秘の精華となる内容ばかりだったので、むしろ宗家の直傳を習って「あぁ!だから教本ではまずあの形で覚えるし、あの順番で学ぶように構成されているのか⁉︎」とハッと気付かされることが多かったです。

今回の一連の宗家直傳の講習で宗家から授けられた種々の要決を、もし自分が独力のみで自得感得できたとしても、あと何年必要になったことかと考えると空恐ろしく感じましたし、さらにこれで間違いないと確証を得られるまでの期間まで想像すると気が遠くなりそうです。

そういった面でも、今回の一連の宗家直傳錬士会は宗家の長年の経験からの感得の成果を、一端でも直接学ばせていただくことができたとても有難い機会だったと思います。

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テーマ:武道・武術 - ジャンル:スポーツ

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