演武あれこれ4

 八光流柔術の演武における特徴として大きなものに『笑い』というものがあります。
 八光流柔術は日本伝統武術の伝承と精華を受けついだとはいえ、ことこの『笑い』については発明的といっていいのかも知れません。

 演武とはいえ対敵行動のなかで笑みを浮かべる、あるいは呵呵大笑するということ。見ている観衆側からも笑いがもれ、ときには爆笑がおこる光景というのは他武道の演武会などを見慣れていると軽くカルチャーショックです。

 「窮地でこそ笑うことで活路が開ける」ということは八光流柔術の極意のひとつでもあります。ですが、はじめのうちはなかなか笑える余裕というのも出ないもの。
日々の稽古のなかで八光流独特の「痛すぎて笑っちゃう」技の刺激や、あまりにも見事に投げられてしまって不思議で可笑しくなって笑ってしまうという体験を繰り返すうちに、いずれ対敵行動のなかでも笑えるようになるものと思います。

 昔、稽古中あまりにも技ができずに不甲斐ない気持ちでいっぱいになって険しい顔をしてしまっていたとき、師匠から「そんな深刻な顔をしてたら、できるものもできない。八光流はニッコリ笑ってやるもんだ」と言われましたが、その意味と笑いの効能がようやくこの二~三年でわかってきた感じがします。

 人前での演武になったからといって急にかしこまって厳かになる必要はない(例外的に検定演武のときだけは演武者は終始厳かになって良いものだと思います)ので、演武者も観衆も可笑しかったら我慢せずに笑ってしまうという和やかさが八光流の演武の流儀なのだと思います。
 ただし、和やかさが尊いとはいえ終始一貫で和やかでゆるんだ感じでいると、ただの「だらけている」様にも見えてしまいます。

 入退場は手際よく~神前礼(正面礼)~師礼~相対礼はうやうやしく厳かに行いつつ、いざ相互向き合った途端には「さぁ、一丁やりますか!」といった感じでパッと場が明るく和やかになる師範達の演武を見ると、緩急もあって心地よいですし、観ていて楽しい気持ちになれる良い演武だなと感じ見習いたく思います。

 技に不安のあるうちは、なかなか演武では『笑い』まで気が向かないものです。
 礼法というと堅苦しく緊張を増幅させるようなイメージを持たれがちですが、私の場合は逆の発想で礼法をしっかりうやうやしく行うことに先ず気を向けると、「礼法がしっかりできた」というひとまずの安心感により、相互向き合ったときにふっと緊張が解けるというルーティーンの様に活用できているので、にっこり笑うといことを思い出せる余裕も生まれやすくなります。是非ためしてみていただきたいと思います。

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テーマ:武道・武術 - ジャンル:スポーツ

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