【柔術みちしるべ ~姿勢と技1~】

【姿勢と技1】

 私が皇法指圧講習のために本部道場にうかがったときのことです。

 当時の慣例では、皇法指圧講習は三名程度以上の受講希望者があつまれるときに開講するということだったそうなのですが、私が受講したときは私のスケジュールにあわせて宗家が御配慮してくださり、私一人で受講することとなりました。

 大変ありがたい話ではありますが、なにぶん講義中も宗家とずっとマンツーマンなので、えらく緊張した想い出でもあります。

 この講義中、宗家から「内臓の下垂の予防と改善には、内臓挙上作用のためにこのような運動をするとよい」と、とても簡単な運動を解説付きで教えていただきました。

 そのとき、ふとアレ??と思ったことがありました。

 おそるおそる、「あのぅ~……」と言いつつ、そろ~と左手を挙げ、

「お聞きしていると、この運動のコツって、○段の○○捕や○○捕のコノ部分のコツとして教えていただいたことと、まったく同じように思えるのですが……」

と質問すると、間髪あけずに「そう! その通りだよ!!」と即答され、とても嬉しそうに呵呵大笑されました。

 その時は馬鹿な質問で変な空気にならずにすんでよかった……と安堵する一方で、へぇ~アレやアノ技って、大腸経の内臓挙上作用の運動をしていたのか~となんとなく感心していました。

 講義後、このときのことを振り返って考えていて、ふと(いままで、「八光流の稽古は指圧と同じ効果があって健康に良い」という話を、技をかけられてツボや経絡に痛覚刺激が入るからだとばかり思いこんでいたけど、もしかして技をかける方も十二経絡に刺激が入っているということなのか!?)という考えに行き当たり、はっ!?としました。

 そして、あわてて指圧講義テキストである『皇法指圧治方学』をあらためて読み返すと、それは軽視できない仮説だと思えました。

 とくに護身体操の項では、講義中質問した以外の技でも、基本型の形と経絡刺激の符号が感じられるものが多々ありました。

 それから後のことになりますが、私は護身体操やその前身の平田内蔵吉(初代宗家の皇法医学の師)の中心操錬法を調べて独力で勉強するのですが、このときの気づきがその発端になりました。

 文武塾道場では、こういった皇法医学の観点から型稽古で技を学習していますので、護身体操のように姿勢をすっくと立てつつ、肚に心気力が集まることによって余計なところを力まない『力を棄てた』柔術を目指しています。
 柔術のために力を抜く練習をするのではなく、柔術の型から肚の活用法を学ぶことで力を棄てられるようになるということです。

 ですので、力を抜くことに偏重して、ゆるゆるだらりとした姿勢と目付にならないように常に留意しています。
 なぜなら、ゆるゆるだらりも武術の形態としてはある意味たいへん有効でもあるのですが、八光流柔術と表裏一体とされる皇法指圧(皇法医学)の身体観とは相容れないからです。

 また皇法医学の観点から型稽古を実践し、実用に耐え得るものにいたるには、護身体操にあるように『撞木足(しゅもくあし)』をしっかり取り入れて稽古しなければなりません。

 ただし撞木足については、いまのところ実地教伝で模範と口頭でお伝えすることはできても、文章でお伝えするにはまだまだ理解も熟練度も足りていませんので、しばし保留としたいと思います。

スポンサーサイト

テーマ:武道・武術 - ジャンル:スポーツ

| 柔術みちしるべ

«  | ホーム |  »