【柔術みちしるべ ~自縄自縛の技3~】

【自縄自縛の技3】

 自縄自縛の技の実例として、今年1月にアップされた本部始め式での奉納演武の動画を観ていただけたらと思います。

 特に私のやられ様に着目していただくと、自縄自縛状態がどういったものか少しお察しいただけるかもしれません。



 久保田皆傳師範そして平賀皆傳師範の技量をよく知っているので、遠慮なくおもいきり攻めて掛かった結果で、自分の出力や力みが丸ごとはね返ってきて硬直している様が見て取ってもらえると思います。
 触れた瞬間に『あること』をして自縄自縛にしてしまう奥伝の内容のシーンもありますが、特にお二人とも立手鏡という初歩にして基本中の基本の技でも顕著に硬直状態にさせられていることから、自縄自縛の技が八光流柔術において基礎的でかつ大きな比重をしめていることがご理解いただけますでしょうか?

 立手鏡で投げられたとき、二回ともかなりの勢いで畳にたたきつけられていますが、ご覧のとおり受身としてはお世辞にも上手いとは言えない落ち様です。

 そもそも私は普段「飛び受身」とか「前方跳躍受身」といわれるような受身の練習はしていませんし、やれと言われても単独ではまったくできません。

 それでもこの動画のように飛んでしまっているのは、硬直状態であるため取に完全に重心をコントロールされてしまっているからです。

 取が投げの勢いをコントロールしているのです。ですから取がやわらかく転がそうと思えばそうできるのが八光流の技です。久保田師範も平賀師範も普段の稽古は誰彼かまわずたたきつけるようなことはしませんし、相手のレベルに合わせて硬軟・緩急自在に投げを使い分けています。

 もし、掛(投げられる側)の意思で投げの勢いをコントロールできているのだとすると、八光流の技としてはまだ機能不全で未完の技だと思われます。

 幸か不幸か、私は「おもいきり投げつけても大丈夫な奴」という認識になってしまったのでスペースさえあればいつも大抵おもいきり投げられてしまいますが、この日は新年明けてのおめでたい席であったので、お染ブラザーズの「いつもより余計に回しております!!」ではないですが、いつもより余計に豪快に投げられております(笑)

 八光流の技で投げられるとき、悲鳴とも絶叫ともつかない声をあげてしまうひとが私を含めて少なくないのですが、それは自縄自縛の硬直状態から投げられるのが、身動きできなくされて急に落ちたり、ひっくり返さりと、まるで新感覚の瞬間絶叫マシーンに乗せられたようなものだからなのだと思います。
 ですので、瞬間的には怖い思いもしますが楽しくもなります。私は遊園地の絶叫マシーンは大の苦手なので乗りたくはありませんが、八光流の瞬間絶叫体験はおもしろいし楽しいと感じます。
 投げられた後に思わず笑ってしまっている様子にそれは表れていますね。

 これは私が少数派の変なタイプの人間だというわけではないようで、名人の先生の教えをうける機会などには名人の先生にボンボンと投げられ怖い思いをするのに、参加者が喜々として我も我もと列をつくるように群がってしまうのを見る度、みんな結局は怖いのも楽しみのうちになってしまっているのではと思えてしまいます。

 ゆったり和やかにリラックスした楽しさの稽古環境を目指すのと同時に、自縄自縛からのキレのある烈しい技の稽古のなかにもまた違った楽しさがあることを見出せると、稽古の濃さやおもしろ味が増して好奇心がもっと刺激されてより充実した稽古ライフが送れるのではないかと思います。

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テーマ:武道・武術 - ジャンル:スポーツ

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