【柔術みちしるべ ~後逆首〆捕のこと6 むすび~】

【後逆首〆捕のこと6 むすび】

 ながながと後逆首〆捕について考察と解説をしてきましたが、実際の稽古ではこれらのことを全部いちいち留意して練習するわけではありません。

 ・すっぽりと意識から抜け落ちてしまっていること。
 ・あと一押しで修得できそうなこと。

 これらに当てはまるポイントを一回の稽古で一つか二つだけピックアップして練習しているのが現状です。

 ではなぜこの機会に後逆首〆捕について情報過多とも思えるほど細々としたことまでいっぺんに紹介したのかというと、やはり武道においては「一見滑稽なように見える型でも、不可欠な術理が内包されているので、流派流儀として軽んじたり切り捨ててよい型などない」ということをあらためてお伝えしたかったからです。

 後逆首〆捕を題材に、型に込められた意図や意味・術理の概要をざっと紹介しましたが、その内容については全然覚えてもらえなくてもかまいません。ただ多くの人に「なにか、型にもちゃんと意味があるらしいぞ」という印象を持ってほしいと思います。

 型に込められた意図や意味・術理について理解が進んでくると、その型をつくり纏めてくれた初代宗家や、守り伝え残してきてくれた諸先生と先輩方にたいする感謝や敬意という心情を強くもつようになってきます。

 その心情があるからこそ、自分もできるだけ過ちを少ない状態で後進に伝えていかなければという責任を感じるので、より向上を目指す動機を維持し継続することができているのだと思っています。

 武道は本来無形文化です。ですから本当に大事で大切なことは形や型そのものにあるのではありません。しかし無形文化だからこそ能や狂言や歌舞伎や各種舞踊とおなじく無形を学び伝承する必要不可欠なものとして形と型があるということを忘れてはいけません。
 無形の学びは有形の型の稽古をとおして我が身と心で掴みとるものでしょう。

 先達から伝わってきた型を用いた検証なしで人間を投げたり打ったり極めたりだけ上達したとしても、それはただ自分のやりやすいようにやっているだけの自己流になっている恐れが大いにあります。

 八光流柔術は創流からまだ76年がたったばかりですが、この1~2年で新たな盛り上がりと勢いを得てきているように感じられます。
 これからさらに100年200年と受け継がれていく伝統文化になっていくために、先達の教えを正しく受け取り、そして正しく伝えていこうという心意気のひとたちがどんどんと増えていってほしいと思います。

 微力ながら自分もそのうちの一人になれるように、これからも稽古に励んでいきたいです。

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テーマ:武道・武術 - ジャンル:スポーツ

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