【柔術みちしるべ ~雑記 不思議な技~】

【雑記 不思議な技】

 先日の稽古後の雑談においてのこと。

 武道経験は八光流がまったくの始めてという生徒さんが、最近八光流により興味を持つようになり、インターネットの動画などもいろいろ観るようになったとのこと。
 その中で、軽く触れただけで崩したり投げてしまうという動画を観て「凄いなと思った。不思議だった」と少し興奮ぎみの様子。

 その様子をみて、「(これはそろそろ直にしっかりとお話しなければいけない頃合いかも?)」と思えたので、「私もある程度ですが、同じことできますよ?」ということで、実際にその生徒さんにかけてみせました。

 いつもの稽古ではやって見せない違う技でコロコロと崩され転がされるので、ずいぶん驚いたようです。

 「ね? できますでしょ? いつも型しか稽古してませんけど、それでもこのくらいのことはできるんですよ」

 「つまり、みなさんがいつもやっている一般技の型の中にこういうことができる基礎になるものはすでに含まれています」

 「こういう一見不思議な技は興味を惹かれますし、感覚的にも面白いので楽しいですが、だからといってこればかり練習しても基本や基礎が身につくことはないし、こういう不思議なことができるようになることを目標にしてしまうと暴力に対処するということを忘れてしまって護身としては役に立たなくなったり、むしろ害にもなりえます」

 「なので、うちの道場ではこういったことを取り上げて練習はしないんですよ」

 そういったこともお話しして、無事に八光流文武塾の方針について納得していただけたようでした。

 武道・武術に馴染みの薄い一般的な感性からすると、不思議な技や不思議な現象を見れば「凄い!不思議!名人だ!」と思ってしまいがちですし、そういうものに憧れる気持ちもよくわかります。
 私も憧れた時期がありますから……。

 でも、そういった不思議な技ができるようになることを目的に武道・武術を学んでも、おそらくまっとうな道からは外れてしまうことでしょう。

 また、そういった不思議な技ができるようになることが名人・達人の証明ではないですし、不思議な技だけ上手になっても、それはただの見世物のパフォーマンスであり名人・達人のモノマネが上手になっただけだと思います。

 次回から、もう少しだけ改めてその辺りのことを考えてみたいと思います。

テーマ:武道・武術 - ジャンル:スポーツ

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